家庭用レーザー加工機(レーザーカッター)を選ぶポイント

加工品を販売したいなら、20万円〜30万円台が狙い目!

「レーザー加工機」や「レーザーカッター」と呼ばれる機器レーザー光を木材やアクリル版などに照射して彫刻・切断する加工機械です。
最近では、小型化、低電力化が進み、家庭向け・個人向けに販売されている加工機がたくさんあります。

今回は『家でものづくりが楽しめる『加工が安定していて加工品を販売したい』という趣味〜副業としての観点から、

30万円以下
家庭用電源(100V/110V)で使用可
保証やサポートが充実

という観点で、機種をピックアップしてご紹介します。

Amazonの格安加工機じゃダメ?

経験上、格安機はオススメしません。

私も2万弱の加工器をAmazonで買ったことがありました。
調整段階の加工10回目くらいから、加工されていない横線が徐々に増えていき、作業台と加工対象を留めるゴム(厚めの輪ゴム?)が切れ、結局何も作れずにメルカリへ。。。

『精度が低い』『出力が低く加工が限定的』『加工範囲が狭い』など使用用途に限りがあるため、何かを作って販売する、制作物にロゴを入れて販売する目的の加工は難しいです。

『半導体レーザー』と『CO2レーザー』の違い

『家庭用』を軸にした場合、選択股は『半導体(ダイオード)レーザー』と『CO2レーザー』の2種類です。特徴をまとめました。

半導体レーザー

半導体に電流を流し発光させ焦点を絞りこむことで加工します。

特徴

  • 安価(1万円弱〜)
  • 出力が弱く、低速度。加工可能素材がco2レーザー機より少ない。
  • 小型で軽量、低電力。
  • 紙や木材、金属、布、フェルト、革、プラスチック、食品などに加工可能
  • 透明ガラス、透明なアクリルは基本的に加工不可
CO2レーザー

二酸化炭素(CO2)をレーザー媒質としたガスレーザーの一種。

特徴

  • 高価(20万〜)
  • 高出力で加工スピードが早い
  • 大型
  • 連続加工時間に制限(熱を放熱する休息時間)がある場合が多い。
  • 木材、アクリル、プラスチック、フィルム、革、紙、布、フェルト、金属、ガラス、食品・その他等に加工可能
  • ガラスにも彫刻、透明アクリルの彫刻&切断も可能

何を加工して何を作るかが機種選びのポイント

  • 半導体レーザーとCO2レーザーの違い
  • 加工できる素材とサイズの違い
  • 値段

上記が機種選びのポイントになるかと思いますです。
切り出したい大きさや素材をしっかり把握して、メーカーサイトをよく確認してみましょう。

それではピックアップした商品をご紹介します。

【半導体】SmartDIYs 『Etcher Laser』 89,780円(税別)~

日本のメーカーSmartDIYs(スマート ディーアイワイズ)の半導体レーザーとしては最新機種(2019年末発売)です。

半導体レーザーなので素材によっては、やはり出力不安はありますが、国内メーカーの安心感があります。デザインもGOOD!!

メーカーSMART DIYs
種類半導体レーザー(青色レーザダイオード)
加工範囲300×198mm
出力1.6W or 3.5W
値段1.6W 89,780円(税別)~
対応OSWindows/Mac
特徴・位置合わせが簡単なカメラ付き
・底を取り外せるタイプを選択すれば素材サイズを選ばず加工可能
・スマホ(iOS)アプリで操作可能

> メーカーのサイトをみる

【半導体】SmartDIYs 『FABOOL Laser Mini』 59,800円(税別)~

国内クラウドファンディング史上最高額を達成したレーザーカッターとして、有名な商品です。

自身で組み立てる分お値段も安く、外装がないので使わない時はコンパクトに収納できます。重さも約3kg。加工時の臭い対策として窓際やベランダなどに持ち出せるのも良いですね。

人気機種のためWEB上にたくさん情報が出ていますしFacebookコミュニティもあるので、困った時は相談できるし、創作活動のモチベーションにもなりそうです。

メーカーSmartDIYs
種類半導体レーザー(レーザダイオード)
加工範囲300×230mm〜
出力1.6W or 3.5W
値段1.6W 59,800 円(税別)〜
対応OSWindows/Mac
特徴・組み立て式(六角レンチ、スパナ等付属。組み立ては平均3~2時間程度 ※ウェブサイトより)

> メーカーのサイトをみる

【半導体】LaserPecker 『LaserPecker-2』 109,999円~

Amazonや楽天の人気のLaserPecker(レーザーペッカー)をご紹介。

後継機として『LaserPecker-3』が販売されていますが、半導体レーザーではなくファイバーレーザーで、加工範囲もかなり狭く、家庭用としてはまだまだ諸々の課題を抱えている(レビューも低い!!)ようなので、『LaserPecker-2』をオススメとしてご紹介します。型落ちなので金額も魅力的。

LaserPeckerは中国メーカーですが、1年間の製品保証や日本語の説明書が付いており、製品に対する自信が感じ取れます。
電化製品への目が肥えた日本市場にも、すっかり浸透した商品といえます。

小型ながらも出力5Wのパワーを保持しており、デザイン性にも優れた商品です。

スタンドから本体を外し、加工対象物に押し付ける形で手持ち加工もできます。
友人の家具職人も、この使い方でロゴ彫刻するのに愛用中とのこと。

laserpeckerの写真
メーカーLaserPecker
種類半導体レーザー
加工範囲最大 100×2000 mm
出力5W
値段109,999円(税込)~
対応OSAndroid / iOS / Windows / Mac OS
特徴・ファイルフォーマット
スマホ:G-code/JPG/JPEG/PNG/BMP
PC:svg、dxf
に対応
・IllustratorCS~CC対応

【半導体】Podea 『Podea-01(Type-I)』 99,800円(税別)~

こちらもクラウドファンディングで400%近い達成率を記録し、国産の家庭用レーザー加工機メーカーのPodea株式会社製品です。

Podeaは『FABOOL Laser Mini』の1年半も前に、クラウドファンディングをスタートし成功を収めており、草分け的存在と言えるのではないでしょうか。

こちらのPodea-01は、半導体レーザーとしては高出力の6Wモデルがあります。
他低出力モデルを購入後、レーザーヘッドのみの交換も可能のようです。

レーザーヘッドの違い(W数)が、大きく金額に影響するので、自分が加工したい物と必要出力を、製品ウェブサイトの加工例などを見て十分にご検討ください。

メーカーPodea
種類半導体レーザー
加工範囲297×210㎜
出力1.6W or 4W or 6w
値段1.6W 99,800円(税別)~
対応OSWindows
特徴・WiFi接続
・緊急停止ボタン付き
・IllustratorCS~CC対応
・ハニカムテーブル標準搭載

> メーカーのサイトをみる

【CO2】SmartDIYs 『SC300』 238,700円(税込)

こちらは2022年6月15日に販売を開始した、SmartDIYsの最新モデルのCO2レーザー加工機です。

「ダイオードレーザーの『Etcher Laser』ではパワーやスピードが物足りない・・・やはりCO2レーザーが良い!」
「でも(後述の)『Etcher Laser Pro』には金銭面で手が出せない」

と言ったニーズに応えるべく誕生したのが『SC300』と言えるのでは無いでしょうか。

・CO2レーザー加工機の中で、平均以下と言える出力の20Wレーザー管
・液晶やカメラ、スマホ対応などの機能を未搭載

といったコストを抑えることにより、国内メーカーの中では最安値級の価格です。

平均以下の出力20Wと言ったものの、最大出力40Wあってもスピード設定を間違えれば切れないこともあるし2度切りすることだってあります。
10mmの素材を1度でカットできない場合は、5mmをカットして2枚貼り合わせれば良いですからね。

最初の一台としては十分です。
あまり機能が多すぎると、不具合が出た時にチェックする箇所が増えるのも嫌ですしね。

できることから副業で稼いで『Etcher Laser Pro』や、業務用『LC950』に手が届くように頑張りましょう!

ただ、「位置合わせが地味にめんどくさそう!w」 って思ってしまった。
大量生産の場合に、治具用の型を用意することが多いのですが、型とぴったりに合わせないと加工がずれるので、型を使った加工は難しそう・・・
せめてレーザーポインターをつけて欲しかった。

同価格帯の『beamo』は排気ファンが内臓だったり、内臓カメラによる位置合わせが簡単だったり、ロータリーオプションやステンレスに加工ができるダイオードレーザーヘッドに変換可能だったり…

メーカーSMART DIYs
種類20W CO2レーザー
加工範囲320×200㎜
出力20w
値段238,700円(税込)
対応OSWindows/macOS
特徴・リニアガイド搭載(高性能機に用いられる機器)
・加工機本体に水冷装置とエアーコンプレッサーが内蔵

> メーカーのウェブサイトを見る

【CO2】FLUX Technology 『beamo』 250,800円(税込)~

値段と機能(出力)と加工範囲が絶妙のバランスで、私の1番のおすすめ機種です。

beamoもクラウドファンディングで大好評だったレーザー加工機です。
消炎機能や排気ファンも内臓されており、排気ダクトをつけて屋外や換気線付近まで伸ばしてあげることで煙や匂いを大幅に軽減することが可能です。

HDカメラでの位置合わせもかなり便利な機能です。

台湾のメーカーですが、東京に日本支社を置く『株式会社マイクロボードテクノロジー』が総代理店となっており、修理サポートや消耗品の購入なども安心です。

オプションで回転ユニットが購入可能で、瓶やコップなどにも加工可能に。
ステンレスに加工ができるダイオードレーザーヘッドもオプションでつけられるので加工の幅が広がります。

メーカーFLUX Technology
種類30W CO2レーザー
加工範囲300×210㎜
出力30w
値段250,800円(税込)~
対応OSWindows/macOS/Linux/Chrome OS
特徴・WiFi/Ethernet通信接続
・液晶画面付き
・オートフォーカス
・開閉センサー付き、緊急時のシャットダウン機能あり
消炎機能、排気ファン付き

> メーカーのウェブサイトを見る

【CO2】Podea 『Podea-02』 298,000円(税別)~

大きくなりがちなCO2レーザー加工機ですが、本体サイズと加工エリアの比率をみると、他の機種より加工エリアが大きく、各パーツの配置が相当考えられています。

他のCO2レーザー加工機は、本体にプラスして周辺機器(排煙機や消炎機、フィルター)が必要ですが、こちらの『Podea-02』は排煙機・消炎機が標準で付属されます。

メーカーpodea
種類ガラス管CO2レーザー
加工範囲600x300㎜
出力最大40W
値段298,000円(税別)〜
対応OSWindows
特徴・Adobe Illustrator CS~CC対応
・マグネット式の蓋センサは蓋が閉じたときのみレーザー出力

> メーカーのサイトをみる

【CO2】SmartDIYs 『Etcher Laser Pro』 382,800円(税込)

SmartDIYsの最新機種(2020年末発売)で、前述の『Etcher Laser』のパワーアップ版です。

『リニアガイド』と呼ばれる機構を搭載しています。
これにより加工位置のズレ調整のメンテナンス負担が大幅に減らせそう。

集塵用フィルタが本体に内蔵してあるので、臭いや煙を軽減できます。

メーカーSMART DIYs
種類CO2レーザー
加工範囲475×310mm
出力30W
値段382,800(税込)
対応OSWindows、Mac、iOS、Android
特徴・位置合わせが簡単なカメラ付き
・Etcher Laserの進化版(透明な素材、透明アクリルやガラスの加工可能)
・スマホ(iOS)アプリで操作可能

> メーカーのサイトを見る

【CO2】SmartDIYs 『FABOOL Laser CO2』 259,800円(税別)~

こちらもSmartDIYsが手掛けるCO2レーザー加工機です。

『FABOOL Laser Mini』と同じく組み立て式のため、配送後に自分で組み立てる必要があるが、購入者からの口コミで「組み立てまでには1週間ほどかかる」との情報も・・・。
機械系が苦手な人や初めてレーザー加工機を購入する方などは、SmartDIYsのFacebookコミュニティで、近場で手伝ってもらえる人を探すのも手かもしれませんね。

無事組み立てられれば、加工サイズも大きく出力も大きいため加工の幅が広がること間違いなしです。

メーカーSmartDIYs
種類CO2レーザー
加工範囲60cm×44cm
出力40W
値段259,800円(税別)〜
対応OSWindows/Mac
特徴・組み立て式
・レーザーポインター付きレーザー管は289,800円(税別)
・組立時やメンテナンス時に行う光軸調整をより安全で短時間(通常数時間~1日が30分程度に短縮)で可能
・位置決めキットオプション有り(税込8,338円)

> メーカーのサイトをみる

いかがでしたか?欲しいレーザー加工機は見つかりましたか?

ちなみに雑学なのですが、レーザー加工機の祖は、なんとあの天才『アインシュタイン』だということをご存知でしたか?
1920年代半ばにおこなった『誘導放出の研究』に関する論文がレーザー加工機の起源ということらしいですよ〜
アインシュタインってどこにも出てくる。やっぱり天才はすごいな。